緊急でトイレに行きたい!!私たちはそもそもトイレをどのくらい我慢できるの?【災害時のトイレ】

防災用ダンボール

災害時に必ず必要となるもの――それがトイレです。

非常食や水、ラジオや懐中電灯を備蓄しているご家庭は多いと思いますが、トイレは用意していない、という方は多いのではないでしょうか。

「お風呂の水をためて置いて、トイレを流すのに使えばいいよね「避難所のトイレを使えばいいでしょ」

しかし、いざ災害が起こると、私たちは以下のことに直面します。

 

・配水管が壊れて、無理やり水で汚物を流したら逆流してきた

・避難所に行ったらトイレは長蛇の列。水が使えないので、掃除もできず、避難所内は汚物の臭いでひどい臭い……。

 

過去の地震災害時の水道復旧までの期間を見てみると、最低でも1週間、長くて3週間ほどかかっています。その間、私たちは清潔な状態でトイレをすることができなくなります。

水道が使えないと、避難所の学校や公民館のトイレはすぐに汚物であふれます。建物全域に臭いが充満し、館内はどんよりとした空気に覆われます。

また、交代で流れない汚物をバケツに入れてどこかへ捨てに行かなければならず、手も汚物で汚れます。そして、仮設トイレも大勢の人が使うので、すぐに足元はとびちった尿で水びだしに。足元も汚物で汚れ、水で洗いたくても洗えないという状況になっていくのです……。

【目次】
人はどれだけトイレを我慢できる?
緊急時のために持ちたいトイレ
簡易トイレを用意していないときの緊急対策

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〇人はどれだけトイレを我慢できる?

このような状況になると、人々は元気がなくなり、できるだけトイレを我慢しようとし始めます。ただでさえ少ない配給の食事を断り、水を飲むのも我慢してぐっと耐えるようになるのです(それほどまでにトイレに行きたくないと思うのですから、仮設トイレのひどさが想像できますね……)。

私たちは排尿や排便を我慢するように体ができていません。排泄を我慢すると、どんなことが起こるのか、以下にまとめてみました。

 

ディスカバリーチャンネルの「Dニュース」によれば、私たち、成人の場合。膀胱は平均で約470mlの尿を溜められるようになっており、トイレに行く回数は、1日に4〜7回が平均なのだそう。

時々トイレを我慢するくらいなら問題はありませんが、トイレを常に我慢してしまうと、体内では以下のことが起こります。

 

(HUFFPOST『おしっこを我慢すると人はどうなってしまうの?』より)

おしっこを我慢すると人の体はどうなってしまうの?
「おしっこしたい!」というリクエストには応えてあげた方がいいみたい。

 

  • 尿が溜まると膀胱の筋が伸びる。それを膀胱の壁にある受容器が感知し、脳に信号を送る。

 

  • それに反応した脳は、膀胱にある排尿筋に収縮するよう信号を送る。その信号を受けて排尿筋は収縮し、膀胱に圧力をかける。その結果、さらに膀胱の筋が伸び、脳に信号が送られる。

 

  • これが繰り返されると、私たちは尿意をもよおしトイレに行きたくなる。そして尿道にある内尿道括約筋が開いて、尿を排出する準備をする。

 

  • 尿道には、外尿道括約筋という筋肉もある。これは尿道を閉めておしっこを漏らさない役割を果たしている、言わば「膀胱の最後の砦」だ。しかし、あまりに長時間おしっこを我慢すると、排尿をうながす排尿筋との競争に負けてしまう。そうなると、意志に反しておしっこを漏らしてしまう。

 

私たちは寝ている間、おしっこを我慢しています。ですから『おしっこを我慢する』という行為自体は、皆日ごろから行っている行為です。しかし、起きている時も我慢するのが当たり前になり、膀胱に尿を常に貯めた状態でいると、私たちは感染症を起こしやすくなります。

 

膀胱にずっと尿をためておくと、大腸菌のようなバクテリアが繁殖してしまい、尿路感染症になってしまうことがあるのです。

また、おしっこが溜まっていなくても尿意を感じたり、膀胱に尿が大量に溜まっているのに排尿できない「尿閉」になってしまうこともあるのだとか。

ひどいケースになると、『外尿道括約筋が膀胱を閉めている部分が破裂してしまう』そうです。腹部に尿が漏れてしまうと、手術をしなければなりません。

〇緊急時のために持ちたいトイレ

緊急でトイレに行きたいときの備えとして、私たちが準備できるのは携帯トイレや簡易トイレです。

携帯トイレと簡易トイレは同じものと考えている方も多いのですが、ちょっと違います。

 

携帯トイレ……携帯トイレは持ち運び用に適しています。アウトドアや高速道路を走行中のお子様のトイレなどに使われることが多い様子。使い方は、付属の袋を固定して、そこに用を足します。袋の中には凝固剤は入っているので、尿を吸収し、固めてくれます。

 

・ワンタッチ 携帯トイレ(女性用 24枚パック)

簡易トイレ 防災トイレ 非常用トイレ 緊急トイレ【メール便不可】【あす楽対応_関東】

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2,640円 (税込)

レビュー評価★4.50

『自宅用の防災トイレは以前より備え付けてあるのですが、今回の台風19号の際に、初めて近所の小学校に避難する経験をし、その時に防災リュックの中身に携帯用トイレが入ってなかったことに気づき、今後のためにと購入しました。避難場所は体育館だったこともあり、体育館と校舎のトイレの距離が意外に遠くて、高齢者には厳しい避難だったと体感したので、持ち運びにもかさばらない携帯トイレは必需品だと思いました』

 

『地震対策、また沖釣りの際の船上用に購入しました。到着はとても早く助かりました。早速釣りで3回使用しました。レビューで男性かとは思いますが容量が足りなくて焦ったとの事で尿意を感じたらすぐに使うようにした為か容量が足りないと思う事は全くありませんでした。また、とてもコンパクトで使いやすく、本当に良いお買い物をしました。

ただ、災害対策用となると1人でも1日に最低でも5回は使うと思うのでコスパはどうなんでしょうか……。一時的な緊急用としては申し分ないと思います。また無くなったら購入したいと思っています』

 

・ワンタッチ携帯トイレ メール便可:20個迄(コンビニ受取可) (防災備蓄の倉庫番 災害対策本舗)

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価格        110円 (税込)

レビュー平均評価★4.49

『恥ずかしながら、キャンプや車中泊で使っています。

普段はむしろ遠いほうなのに、こういうシチュエーションに限って信じられないくらい近くなってしまうのでそれだけが悩みだったのですが、これを使うようになってから気分的にもとても楽になりました。

初めて使った時は要領がわからず若干粗相(!)してしまったりしましたが、回を重ねるごとに素早く清潔に使うことができるようになりました。

老婆心ながらコツとしては……ピッタリあてがうこと、ためらわず勢いよく……、という感じです』

 

『似たようなものは車用品コーナーなどにあったりしますが、安価で大量購入が可能なことと、モノが薄く鞄などに入れておきやすいことは大きなポイントだと思います。薄くても弱いわけではなく、十分実用的です。臭いが拡がるのを防ぐためのビニールも同梱されているので、災害時などの備えの他、お子さんがいる家庭で旅行される時など、様々な場面で活躍しそうですね』

 

携帯トイレは安価で携帯しやすいため、防災用の備蓄に購入する方も多いようです。しかし、この携帯トイレには1点弱点があります。それは――大便用ではないこと。

大便はおしっこと違い、毎日何度もするものではありませんが、被災生活が3日、4日と長引くとどうしてもしたくなると思います。そして、大便を我慢するのはおしっこ以上に辛いものです。

災害時のトイレ対策をするなら、おしっこだけしかできない携帯トイレはちょっと心もとないかもしれません。

 

簡易トイレ……簡易トイレとはざっくり言うと『小型の便器のあるトイレ』のことを指します。主に災害対策に使われます。個人用の簡易トイレとしては、使い捨てのダンボール製のものと、洗うことで繰り返し使えるプラスチック製のものがあります。便器にポリ袋をセットし、用を足した後、上から凝固剤をふりかけて便を固めるのが一般的です。

 

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価格 3,667円

レビュー平均評価★4.64

『夜間、トイレへの移動が大変な祖母の為に購入しました。高さは一般の便器より低いですが、小柄なのでちょうど良いです。100均の黒いゴミ袋をバケツ部分にかぶせ、古いオムツやパッドを敷いて用を足し、袋ごと捨てれば臭いも汚れもなく快適です』

 

『家が古いので先日も洗面台の水道管が漏れて修理しました。3日間使えませんでした。トイレや風呂周りも心配です。急な時にあれば便利だと思い購入しました。これから先、災害が起きたときにも便利かなと思いまして。価格もお値打ちでしたのでここに決めました。対応も大変良かったです』

 

プラスチック製も良いと思いますが、『一度排便に使ったものを洗って使いたくない』『いつでも清潔な状態のトイレを用意しておきたい』という方にはダンボール製がおすすめです。

プラスチック製の場合は、使った後に水で洗わなければいけませんが、案外臭いがうつるもの。また、次の災害が起こるまで保管しておく際、場所もとります。

ダンボール製の簡易トイレなら、折りたたんだ状態で保存できますし、持ち運びも簡単です。折りたたまれた状態ではトイレを感じさせないので、車に積んでおくのも良いでしょう。

 

災害用トイレとしておすすめなのは、『たすけくん』という簡易トイレです。

こちらは浜松市、磐田市の各自治会や県立高校の災害備品として購入されている簡易トイレで、ダンボール製の組み立て式です。

組み立てる前は、高さ310㎜、幅280㎜、奥行き400㎜の長方形の箱になっており、持ち運びやすいように取っ手がついています。重さも女性が片手で持てる重さとなっています。大きすぎないので車に常に積んでおくのも良いと思います。

組み立てれば、200㎏もの重さに耐えるので、お父さんでも安心して使えますし、丈夫なので家族で何度も使うことができます。

価格は6回分の消耗品(処理用袋、消臭凝固剤)がついて2,160円。

避難所などの人の目があるところでトイレをする場合に備えて、目隠し用のコートも売られています。すっぽりかぶれば、外からは簡易トイレが見えなくなるので、安心して用を足すことができそうです。こちらの目隠し用コートは2,000円となっています。

 

「6回セットだけじゃ不安……」という方の声を反映し、『たすけくん』には消耗品だけのキットも売られています(処理用ポリ袋×10袋、消臭凝固剤×10袋、ポケットティッシュ10個で1,000円)。

トイレの凝固剤は、価格もバラバラで成分もバラバラです。

ただ便を固めるだけのものもありますし、防臭効果や防菌効果のあるものもあります。

数時間のおでかけの際に使う時ならばどんな凝固剤を使用してもかまわないと思いますが、災害時には、ちょっとした病気も命とりなので、最低でも防菌効果のあるものを選びましょう。

これにより、腸菌や黄色ブドウ球菌に感染するリスクをぐっと減らすことができます。下痢や腹痛といった症状はたいしたことのないように思えますが、体力の低下している災害時には治りにくくなっています。そのまま症状が進むと、腎不全や脳浮腫による意識障害やけいれんを引き起こすこともあるので注意が必要です。

また、避難所などの人の多いところで簡易トイレを使用する場合、臭いも気になるもの。『たすけくん』

についている凝固剤なら、消臭・防菌効果のあるものなので安心です。

また、安すぎるポリ袋を使うと、最悪の場合、やぶける可能性もあるので、袋もできれば『汚物用』に使えるものを使いたいですよね!備えあれば患いなし。3点セットで1,000円なので、いざというときのために買っておくと心強いです。

〇簡易トイレを用意していないときの緊急対策

もしも簡易トイレを準備していないときに災害に遭った場合は、以下のもので代用しましょう。あくまでも代用品なので、災害用の凝固剤と比べれば、その効果は薄いのですが、ないよりもマシです!

 

・新聞紙をこまぎれにしてポリ袋に敷き、その上から用を足す

・生理用品や、赤ちゃん用、高齢者用のオムツなどの吸水性素材を敷く

・ネコ砂・ペット用トイレシートを使う

 

高齢者用のおむつなどの人間用と比べると、ペット用品は値段が安いので、いざというときのためにペットを飼っていない方も買っておいてもよいかもしれません。しかし、後処理などのことを考えるとやはり簡易トイレ+凝固剤の組み合わせが一番でしょう。

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